Microsoft Graph は Webhook により変更通知を受け取ることができます。アクセス許可の内容から察するに、個人で使うためではなく、組織の管理のためのようなのですが *1、こういうものはだいたい Flow で受け取れるような気がするのでやってみました。今回はユーザーの変更を受け取ります。
変更通知 - ドキュメント - Microsoft Graph
変更通知を受け取る Flow
変更通知を受け取るためのサブスクリプションを作成するときに、URL を検証するために、Microsoft Graph から送られる validationToken を返す必要があります。
- Microsoft Graph sends a POST request to the notification URL:
- POST https://{notificationUrl}?validationToken={TokenDefinedByMicrosoftGraph}
- The client must provide a response with the following characteristics within 10 seconds:
- A 200 (OK) status code.
- The content type must be text/plain.
- The body must include the validation token provided by Microsoft Graph.
ということでクエリ文字列に validationToken を含む場合と含まない場合で処理を分岐します。validationToken を含む場合は上記の通りのレスポンスを返却します。含まない場合は実際の変更通知なので、ID を受け取ってユーザー情報を取得し、その情報をメールで送ります。
サブスクリプションを作成する Flow
サブスクリプションのエンドポイントは「/subscriptions」なのですが、組織全体で共通ではなくユーザー/アプリケーション単位のようです。後述するサブスクリプションの更新を自動化するためには、アプリケーションのアクセス許可 (Client Credentials Grant) を使用する必要があるため *2、サブスクリプションの作成も同様に行う必要があります。notificationUrl には 変更通知を受け取る Flow の URL を指定します。
サブスクリプションを更新する Flow
サブスクリプションには有効期限があり (最大 3 日間)、更新しないと自動的に削除されてしまいます。永続的に変更通知を受け取るためには、スケジュールで 1 日 1 回 Flow を呼び出して有効期限を更新する必要があります。
まとめ
Flow でできるので LogicApps でもできますし、機能的に LogicApps で実装したほうがよいと思いました。変更通知を受け取るところは、カスタム処理を入れたいのであれば Functions に変更してください。
*1:いくつかのリソースは管理者の同意が必要なアクセス許可を必要とします。
*2:Microsoft Flow の HTTP アクションにある Active Directory OAuth 認証で Microsoft Graph API を利用する | idea.toString(); を参照のこと。